30秒まとめ

  • 財産分与は婚姻中に夫婦で築いた財産を分ける制度
  • 分与の割合は原則2分の1ずつ(収入差があっても原則は同じ)
  • 対象は名義に関係なく「夫婦の共有財産」。婚前の財産や相続財産は対象外

1財産分与とは?3つの性質

財産分与とは、離婚にあたって婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を、公平に分け合う制度です(民法768条)。財産分与には次の3つの性質があり、通常はこれらを含めて話し合われます。

財産分与の3つの性質

  • 清算的財産分与:婚姻中に築いた共有財産を清算する(中心的な要素)
  • 扶養的財産分与:離婚後に生活が苦しくなる側への補助的な分与
  • 慰謝料的財産分与:慰謝料の要素を財産分与に含める場合

2財産分与の対象になるもの・ならないもの

財産分与の対象になるのは、婚姻中に夫婦の協力で築いた「共有財産」です。名義がどちらであっても対象になります。一方、結婚前の財産や相続・贈与で得た財産は「特有財産」として対象外です。

対象になるもの(共有財産) 対象にならないもの(特有財産)
婚姻中に貯めた預貯金 結婚前から持っていた預貯金
婚姻中に購入した不動産・自動車 相続・贈与で得た財産
共同で購入した家財・有価証券 各自の個人的な装身具など
婚姻期間に対応する退職金・年金 別居後に新たに築いた財産

3分与の割合は原則2分の1

財産分与の割合は、原則として2分の1ずつです。夫婦の一方が専業主婦(主夫)で収入がなかった場合でも、家事・育児による貢献が評価され、この「2分の1ルール」が広く採用されています。ただし、一方の特別な才能・努力によって高額の資産が築かれたケースなど、事情によって割合が修正されることもあります。

4財産分与の進め方

段階 内容
①財産の把握 夫婦双方の財産(プラス・マイナス)を一覧化する
②協議 話し合いで分け方を決める
③調停・審判 まとまらない場合、家庭裁判所の手続きで決める

財産分与には期限がある

財産分与を請求できるのは、原則として離婚成立から2年以内です。この期間を過ぎると請求が難しくなるため、離婚時にあわせて取り決めておくことが大切です。

5見落としやすい財産に注意

次のような財産は見落とされやすいものの、財産分与の対象になり得ます。取り決め前に必ず確認しましょう。

見落としやすい財産

  • 退職金:将来受け取る退職金も、婚姻期間に対応する分は対象になり得る
  • 年金:厚生年金は「年金分割」の対象(財産分与とは別手続き)
  • 生命保険:解約返戻金のある保険は対象になり得る
  • 住宅ローンなどの負債:マイナスの財産も清算の対象

6相手に財産を隠されているときは

相手が財産を開示しない・隠している疑いがある場合でも、あきらめる必要はありません。弁護士を通じて金融機関への照会や裁判所の調査手続きを利用することで、隠された財産を明らかにできる場合があります。財産の全体像がつかめないときは、早めに弁護士へご相談ください。

7よくある質問

専業主婦でも財産分与を受けられる?

受けられます。収入がなくても、家事・育児による貢献が評価され、原則2分の1の分与を受けられるのが一般的です。

相手の不倫が原因でも2分の1?

財産分与は「財産の清算」であり、有責性とは別問題のため、不倫があっても割合は原則2分の1です。不倫による精神的損害は、財産分与とは別に「慰謝料」として請求します。

住宅ローンが残っている家はどうなる?

家の価値とローン残額の関係(オーバーローンかどうか)で扱いが変わります。売却して清算する、一方が住み続けてローンを引き継ぐなど複数の方法があり、名義・連帯保証の整理も必要です。個別事情の影響が大きいため、弁護士への相談をおすすめします。

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8まとめ

この記事のまとめ

  • 財産分与は婚姻中に築いた共有財産を分ける制度
  • 対象は名義に関係なく共有財産。婚前・相続財産は対象外
  • 割合は原則2分の1
  • 退職金・年金・保険・負債の見落としに注意
  • 請求期限は離婚から2年

財産分与は「何が対象で、いくらの価値か」を正確に把握することが出発点です。取り決め後のトラブルを防ぐためにも、早めに弁護士へご相談ください。