30秒まとめ
- 基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数
- 遺産総額が基礎控除を超える場合に申告が必要
- 申告期限は相続開始を知った日から10ヶ月以内
1相続税の基礎控除とは
相続税の基礎控除とは、遺産総額がこの金額以下であれば相続税がかからないという非課税枠のことです。
計算式
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
法定相続人の数ごとの基礎控除額
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
| 5人 | 6,000万円 |
具体例
被相続人の遺産が5,000万円、法定相続人が配偶者と子ども2人(計3人)の場合:
- 基礎控除額:3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
- 5,000万円 − 4,800万円 = 200万円が課税対象
→ 相続税の申告が必要
2相続税の申告が必要なケース
申告が必要な場合
- 遺産総額が基礎控除額を超える場合
- 配偶者の税額軽減を適用する場合(控除後に税額が0円でも申告が必要)
- 小規模宅地等の特例を適用する場合(同上)
申告不要でも注意すべきケース
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用して税額が0円になる場合でも、これらの特例を受けるためには申告が必要です。申告しなければ特例は適用されず、相続税が発生する可能性があります。
遺産に含まれる財産
相続税の計算対象となる遺産には、以下のものが含まれます。
- 不動産(土地・建物):路線価や固定資産税評価額で評価
- 預貯金
- 有価証券(株式、投資信託等)
- 生命保険金(みなし相続財産。非課税枠あり)
- 退職手当金(みなし相続財産。非課税枠あり)
- その他の財産(貴金属、自動車、ゴルフ会員権等)
- 生前贈与加算(相続開始前7年以内の贈与)
3主な税額軽減制度
①配偶者の税額軽減
配偶者が取得した遺産は、以下のいずれか大きい金額まで相続税がかかりません。
- 法定相続分相当額
- 1億6,000万円
配偶者の税額軽減は非常に大きな控除ですが、二次相続(配偶者が亡くなった時の相続)の税負担が重くなる可能性があるため、全体を見据えた対策が必要です。
②小規模宅地等の特例
被相続人が居住していた宅地等について、一定の要件を満たせば評価額を最大80%減額できる特例です。
| 宅地の種類 | 限度面積 | 減額割合 |
|---|---|---|
| 特定居住用宅地等 | 330㎡ | 80% |
| 特定事業用宅地等 | 400㎡ | 80% |
| 貸付事業用宅地等 | 200㎡ | 50% |
③生命保険金の非課税枠
生命保険金には「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠があります。例えば法定相続人が3人なら1,500万円まで非課税です。
④未成年者控除・障害者控除
相続人が未成年者や障害者である場合、一定額の税額控除が受けられます。
4相続税の申告期限と届出先
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告期限 | 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内 |
| 届出先 | 被相続人の住所地を管轄する税務署 |
| 納付方法 | 現金一括納付が原則(延納・物納も可) |
申告期限を過ぎた場合
期限内に申告しないと、無申告加算税(15〜20%)や延滞税が課される可能性があります。遺産分割協議がまとまらない場合でも、期限内に法定相続分で仮の申告を行い、後から修正申告をする方法があります。
5よくある質問
相続税は誰が払う?
相続税は、遺産を取得した相続人それぞれが、取得した財産の割合に応じて納付します。
不動産の評価はどうやる?
土地は路線価(路線価がない地域は倍率方式)、建物は固定資産税評価額で評価するのが原則です。
税理士と弁護士、どちらに相談すべき?
相続税の申告・節税対策は税理士、遺産分割の争いや遺留分の問題は弁護士が専門です。弊所では、弁護士業務と税理士業務の両方に対応しておりますので、相続に関する全ての問題に対応することができます。お悩みの際は是非ご相談ください。
6まとめ
この記事のまとめ
- 基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数
- 遺産総額が基礎控除を超える場合は申告が必要
- 特例適用で税額0円でも申告は必要
- 配偶者の税額軽減で1億6,000万円まで非課税
- 小規模宅地等の特例で土地の評価額を最大80%減額
- 申告期限は相続開始から10ヶ月以内
相続税の問題は、遺産分割と密接に関連します。早めに専門家に相談し、適切な対策を講じてください。